エンジンの状態って、オーナーさんならちょっと気になるところ。
前期型なら、もう10年以上大切に乗っている人も多いはず。
乗り換えないでリフレッシュして、壊れるまで乗るぞ!って考えの人も多く、
期待に添えるよう、ワンツーマンにて相談し、
自らエンジンを手がけていきます。
納得して乗り続けて頂けるよう、
手助けをしていきたいと思っています。

ヘッドカバーの周りが、油で汚れている人も多いですね。
この辺りは、カバーのシールを交換して直りますが、
カタカタと音が出ているとか、ブローバイが多く出ているとか。
どうも、エンジンのパワーが落ちた気がするとか、
マフラーから白煙が出ているなど・・・。
エンジンのトラブルシューティングには、
いくつかの症状がありますが、
まずは点検がてら、お車の事を相談しに来てみてください。

ブーストを上げて乗っている人は特に要注意なのですが、
ピストンの棚落ち、ランド落ちは致命傷です。
これはブローバイの吐出量の多さの症状に多く出ます。
エンジンのコンプレッションの測定である程度判断できますが、
プラグホールからの内視検査で、ピストントップを目視にて観察します。
ゆっくりエンジンの回転を上げていって、異音も聞き逃してはいけません。

シリンダー内壁のキズや、内径の測定で、基準範囲を超えるものは、
ボーリング&ホーニングの加工にて、最適な状態に戻します。

これが、ランド落ちしたピストンの画像です。
左側のピストンになりますね。
セカンドランドを良く見ると、色が変わって筋が入っているのが伺えます。
実はこの部分は、割れて剥離しています。
シリンダー内に収まっているので分かりにくいのですが、
ピストンリングにて、シールを保持できず、
コンプレッションの低下をもたらします。

ドライバー等で、割れをこじると、ランド部分が脱落しました。
ポッキリと割れてしまっています。
原因は、ブーストの上げ過ぎ、油温の上げ過ぎ、
燃調の不適合など。
ピストンを酷使してしまった結果です。

エンジンオーバーホールって何をするのか?
新車の状態のエンジン?いいえ、それとは違います。
ピストンクリアランス、圧縮比の変更、流路の拡大、
ポートの整流化、燃焼室の容積など、
メニューによってさまざまなチューニングが選べます。
乗り比べて、吹けの良いパワフルなエンジンになるのです。

これは、シリンダーヘッドの水穴を指していますが、
バリのひどいものが多く、流れを妨げています。
一つ一つ、正確に削り込み、バリの処理をしていきます。

吸気ポートですが、鋳型の跡が高い物が多いので、
リューターにて平らに削りこみ、ポート形状を適正にします。

ここは、バルブのステムシールです。
燃焼室とヘッドをシールしている部分ですが、
経年劣化により、磨耗、硬化しますので、
すべて新品に交換します。

油温や、水温を上げ過ぎている人は要注意。
シリンダーヘッドの面は歪やすく、
コンプレッションを保持できず、クーラントが減ったり、
エンジンオイルに混じったりします。
許容値を外れている場合、面研磨の処理をします。

さて、いよいよ後半、組み付けに入ります。
純正流用にて、最適なパーツを選びました。
リーズナブルにフリクションロス少なく、
安心して踏めるエンジンを目指して。

メニューによっては、シリンダー上面研磨をします。
それぞれのピストンを組み付けていきます。
高耐久性を目指して、コツコツと作り上げていきます。

腰下の組み付けになります。
メタルクリアランスは、独自の数値を目指し、
ラッピング加工しながら合わせ込みます。

メタルガスケットを使用します。
コンプレッション計算で厚みを選択します。
熱伝道も純正よりも良く、冷却の向上にも繋がります。

完成に近づいてきました。
各部洗浄され、火を入れるのももうすぐです。

降ろしたついでにできる作業は・・・?
クラッチも残量によっては、今交換すると作業が1度ですみます。
オーナーさんも安心できますね^^

完成し、装着されたエンジン。
エンジンルームも洗浄され、きれいに仕上がりました。

乗ってみて体感してください。
街乗りの領域から、軽い吹け上がり。
そして、トルクフルなフィーリング。
上まで軽やかに回ってしまうエンジン。
本当の速いエンジンとは何か?を、
きっと感じ取る事ができるはずです。

自ら一つ一つ手がけていく事で、
オーナーさんに喜んで貰えるよう、作り上げていきます。

不明な点、ご相談は、メールにて